旅館協会・JCHA・全旅連
キャンセル料補填も求める
日本旅館協会(北原茂樹会長)、全日本シティホテル連盟(JCHA、清水嗣能会長)、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、多田計介会長)は3日、新型コロナウイルス感染症に伴う経営環境の悪化を踏まえ、政府などに対する要望書を3団体連名でまとめ、陳情を開始した。当面の資金繰りをはじめとした旅館業への経営支援策、感染症終息後の観光需要の喚起策などを求めている。
要望書では、「自然災害など幾多の厳しい経済環境を乗り越えてきたが、この度の新型コロナウイルス感染症による業界の被害、試練は宿泊業者個々の力量では到底乗り切ることができない」として、次の事項を要望した。
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【日本政策金融公庫による緊急融資に関して】
現在、国民生活事業において「新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付」が設定されているが、売り上げ規模によっては本貸付が利用できない場合がある。中小企業事業においても同様の特別貸付を設定してください。
利息を0%台に減免、原則無担保、個人保証なし、という条件としてください。
国民生活事業においては融資の上限が3千万円となっているが、当該施設の月商2カ月分(1億円を上限)としてください。
融資実行については申請から1週間、遅くとも10日以内に実行してください(3月末の支払いに対応できるように柔軟に対応いただきたい)。
【セーフティネット保証4号を用いた融資に関して】
施設規模としてホテル・旅館業では資本金5千万円、従業員数200人以下の制限が設けられているが、条件を緩和してください。
利息の減免を行い、原則無担保、個人保証なし、という条件としてください。
融資実行については申請から1週間、遅くとも10日以内に実行してください(3月末の支払いに対応できるように柔軟に対応いただきたい)。
【その他、継続中の融資に関して】
政府系、民間系を問わず、金融機関における返済猶予、金利の減免など、柔軟な対応をお願いする(3~5月の3カ月程度)。
【租税・公共料金】
租税や公共料金などの一部免除、減免、納付期限の延長などをお願いする。
【雇用調整助成金】
申請資料の簡素化をお願いする。
助成率は西日本豪雨、令和元年台風19号に準じた特例措置としてください(助成率の引き上げ、6カ月未満の労働者に対する助成、クーリング期間の撤廃など)。
【キャンセル料に関して】
お客さまから徴収することは困難であるため、国にて補填(ほてん)をお願いする。
【衛生商品の安定供給】
マスクや消毒液などの十分かつ安定した供給体制を構築してください(転売対策の徹底などを含む)。
【観光振興策に関して】
事態収束に備え、あらかじめ大規模かつ長期的な観光振興策をお願いする。
【報道に関して】
適切かつ正確な報道を要請してください。